ラガービールは、発祥の地・チェコのピルゼン地方の名から、ピルスナーとも呼ばれます。
淡色で、苦みと喉ごしの良さを特徴とします。
日本以外では、アジア各国でよく飲まれ、さらにドイツでもラガーが普及しています。
ベルギーで飲まれているラガーは、「ステラ・アルトワ」という物です。
1000種類近くのエールが溢れているベルギーでは、ラガーと言えばこれを差し置いて他にはありません。
飲み口は柔らかで、日本の大手メーカーのビールを飲み慣れている人には、取っ付きやすいと思います。
日本人に最も馴染みの深い輸入ラガービールは、「バドワイザー」かも知れません。
これは米国でもトップのシェアを誇り、低アルコールということもあり、喉の渇きを癒すには最適でしょう。
その発祥は1876年にさかのぼり、現在では全世界において商標権を取得する動きも見せています。
その他、中国の「青島ビール」や韓国の「OBビール」、写真に掲げたベトナムの「サイゴンスペシャル」など、東南アジアでもラガーが主流となっています。
日本をはじめアジアではこれほどラガーだらけなのに、どうして欧州ではエールばかりなのでしょう。
エールの方がスッキリしていますし、大量生産ができるのに、
決して、外国でラガーが好まれない訳ではありません。
東南アジアでラガーが流行り、欧州でエールが流行っているのには、気候が影響していると言われます。
じめじめした暑い地域では、すっきりと喉の渇きを癒したい物です。
それに適した飲み物が、ラガービールという訳です。
それに対して、緯度の高い地方では、体が濃厚な味わいを求めることになるのです。
それが、欧州でラガーが少ない理由と言われます。
ですから、決して、エールの方がラガーより本格的とは限らないのです。
写真は、ドイツのラガービール「イェバー・ピルスナー」です。
その猛烈な苦みは、日本のどの銘柄をとっても及ばないでしょう。
日本のプレミアムビールが世界で表彰されたことをご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
ラガーは、アジアのビールの一般的なあり方だと切り捨てるよりも、エールとの比較の中で見直してみると、その優れた面が見えてくることでしょう。