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エールビールがじわじわ忍び寄る

よなよなエール軽井沢高原ビール善光寺ビール

 長らく、日本のビール業界は、大手4社の寡占状態でした。
 しかも、彼らが造るビールはラガータイプのものばかりで、日本人にとってエールは馴染みのないものになっていました。
 しかし、1994年、規制緩和の一環として酒税法が改定されたことにともない、中小の地ビール業者が生産を始めたのです。
 もちろん、地ビール業者もラガーの生産をしています。しかし、今ビールファンの間で注目されているのは、やはり何と言ってもエールでしょう。
 日本の地ビール業者は、主にドイツの醸造法に学んで、エールを醸造しています。

 エールと一口に言っても、上面発酵という点を除けば、その製法も味わいも多種多様です。
 もっともポピュラーなエールは、「ペールエール」と呼ばれるもので、すっきりとした味わいに特徴があります。

日本で醸造した地ビール

 日本で人気のあるエールを、いくつか紹介してみましょう。
 とくに、国内地ビール最大手とも言える「ヤッホーブルーイング」の製品を飲み比べてみました。

 まず、写真左手に見えるのが、「よなよなエール」です。
 黄金色に輝き、とても香ばしい味わいがします。大麦100%で作られているのに、あたかも香辛料を混ぜたかのような口当たりです。
 これは、日本でもっともファンの多いペールエールと言っていいでしょう。

 続いて真ん中に見えるのが、「軽井沢高原ビール」の Natural Trust です。
 写真のものは瓶ビールですが、通販で手軽に缶ビールをお取り寄せできます。
 濃厚な色とは裏腹に、苦みは程よく、開栓すると甘い香りが漂います。

 右に見えるのは、「善光寺ビール」です。
 今も通販で手に入るのかは、残念ながら不明です。
 ブロンドエールと呼ばれる種類のビールで、その名の通り、黄金色に輝き、きめ細やかな泡が唇を撫でます。
 エールにしてはしつこくなく、ラガーに慣れた日本人の口にも合うでしょう。

 ここに紹介した以外にも、日本では中小の醸造所が地ビールを生産しています。
 「スタウト」「アルト」「ケルシュ」「ヴァイツェン」などという名前が付いたビールを見つけたら、ぜひ飲んでみて下さいね。それが、日本のエールです。